FLIR ONE® Edge Proの5つの活用方法
FLIR ONE Edge Proは最近発売されたばかりの新製品で、取り外し可能なカメラが付属しており、対象物をベストアングルでとらえることができます。ご家庭のニーズに合わせて、便利な使い方をいくつかご紹介します。
冷暖房のエネルギーロスをチェック
サーモグラフィを使えば、自分で家庭のエネルギー診断ができることは周知の事実です。以前にも紹介しましたが、新しいFLIR ONE Edge Proの取り外し可能なカメラを使えば、対象物をより簡単に撮影できます。
窓やドアは、古くなってシーリングが劣化していたり、そもそも適切にシーリングされていなかったりと、エネルギーコストの高騰を引き起こす一般的な原因となっています。Edge Proでは、このような問題箇所の温度差をあぶり出し、ひと目で問題箇所を特定することができます。
しかし、重要なことは、素材によっては、たとえ適切に断熱していても、自然に冷たくなったり熱くなったりする場合があるということです。窓やドアから空気が漏れていないかかどうかを確認するには、空気の出入り口付近の壁を見てください。その部分から、冷気や熱気が玄関から壁へと伝わってきている場合は、熱漏れがあることを意味しています。温度差が一か所に集中していて、温度差の境界がはっきりしている場合は、おそらく問題はないでしょう。
紫部分は、壁に沿って、冷気が侵入してきていることを示しています
窓枠の温度が低いにもかかわらず、窓の周りの壁は暖かいままですので、この場合、断熱材は問題ない可能性が高いといえます
水漏れのチェック
バスルーム、キッチン、ランドリールーム、地下室、屋根裏部屋、外壁などはすべて、定期的に湿気にさらされ、水漏れの影響を受けやすい場所です。このような場所に水が浸入すると、カビが発生したり、氷が溜まって家の断熱材がずれ、エネルギー料金が高くなることがあります。Edge Proは、このような湿気によって生じる温度差を検出して問題のある箇所をピンポイントで特定することができるため、自分で修繕したり、専門家にさらに詳しく調べてもらうことも可能です。
取り外し可能なカメラは特に便利で、シンク下や、水を使う電化製品の隅などをチェックすることができます。表示スクリーンからカメラが独立しているため、低いスペースや奥まった高い場所も、首を痛めることなくチェックできます。この特徴は、水漏れによる影響をとりわけ受けやすい天井や屋根裏から、雨が侵入することで発生する水漏れをチェックするときに特に役立ちます。Edge Proは、奥まった場所や断熱材など、どんなに高い場所でも必要に応じて手元のスクリーンでチェックすることができます。
FLIR ONE Edge Proを使えば、シンク下の配管漏れを簡単にチェックできます
水漏れによる被害には、2つの特徴的な形状があります。床からの水漏れは壁の下端に集中する傾向があり、徐々に壁を伝って登っていきます。もう1つは、下向きの三角形で、上部が最も濃く、床に向かって、または天井に沿って薄くなっていきます。チェックを始めるには、暖房を入れ、壁が少し温まるのを待ちます。水分は乾燥した壁よりも暖まるのが遅いため、赤外線画像にはっきりと映し出されます。
床から上がってきている水漏れの様子
水分が天井で広がっている様子
天井から水分が下におりてきている様子
ケーブルとエネルギー管理のチェック
仕事部屋のデスクや、複数の電子機器を収納するメディアセンターなどでは、コードがすべて見えない奥に押し込まれてしまうことがよくあるかと思います。ごちゃごちゃしたケーブルは無視できるかもしれませんが、発熱や発火の可能性は無視できません。
通常の範囲を超えるような大量のコードを使っているのでない限り、危険なことはそうそう起こるものではありませんが、一か所で大量の電力を使用したり、壁に1つしかないコンセントに電源タップをつなげて、そこから複数の電気機器の電源をとっていたりするような場合には、チェックする価値があるかもしれません。サーモグラフィを使えば、コンセントの温度をチェックし、熱くなりすぎていないかどうかを確認できますし、Edge Proを使えば、邪魔な家具の裏側に回り込むこともできます。
壁掛けテレビの背後のコンセント
電子機器の中には、電源が切れていてもコンセントから電力を取り続けるものがあるため、すべての電子機器を大まかに総点検するのも有効です。エネルギー料金に加算されているものをすべて知りたいのであれば、家の中をチェックして、どれだけの機器がファンタムパワーを消費しているかを確認してみるのも良いでしょう。
調理用途
調理には、塩、油脂、酸、そして最も重要な熱という4つの基本要素があります。料理をする際は、次のステップに進んでよいかどうか確認するために、温度計を使って料理の温度を測ることがあります。伝統的な方法を使うことは悪いことではありませんが、温度計がなくてピンチに陥ったときや、スマホを手に持っている時などには、Edge Proが便利な代替品となります。
(注:サーモグラフィは物体の表面温度のみを確認するものであるため、生肉を調理する際の肉用温度計の代わりに使用することはできません)
一から作ったピザは、ピザストーンの上で焼くとさらに美味しさがアップし、上に乗せた具材をパサパサにさせることなく、クリスピーに仕上げてくれます。ピザストーンは260℃前後に加熱する必要があり、オーブンが示している温度に、ピザストーン自体が達するまでには時間がかかる場合があります。そのため表示を見るだけでは判断できません。しかしEdge Proを取り出し、ストーンの温度を素早く読み取れば、調理の準備ができたことを知ることができます。
揚げ物も同様に、調理する温度に気を配る必要があります。冷たすぎる油ではカラッと揚がりませんし、熱すぎる油では中まで火が通る前に外側が焦げてしまいます。また油の温度は、材料を揚げているうちに下がっていくため頻繁にチェックしなければならず、揚げる前には油の温度を再度上げる必要があります。Edge Proを使えば、ポインタを向けるだけで、揚げ物容器に近づかなくても、高温の油が手に飛び散ることなく素早く温度を確認することができます。
家電製品が意図したとおりに動作しているか確認する
新しい家やアパートに引っ越す際には、電化製品がその価値を発揮しているかどうか知りたいと思うものです。冷蔵庫や洗濯機は、肉眼では見えない問題が起こりやすいものです。サーモグラフィを使えば、これらの電化製品が意図したとおりに機能し、入居後に余計な頭痛の種を引き起こしていないことを確認できます。
冷蔵庫では、冷凍庫が冷えすぎて庫内背面に氷がこびりついてしまうことがあります。氷は徐々に蓄積され、溶けてしまうと冷蔵庫の裏側の汚れにつながります。Edge Proの着脱式カメラを使えば、冷蔵庫やその他の家電製品の裏側をより簡単にチェックできます。
FLIR ONE Edge Proで冷蔵庫の裏側をチェック
ランドリールームは、洗濯機から出る熱と湿気にさらされ、カビの絶好の繁殖場所です。サーモグラフィを使えば、洗濯機の動作状況や問題の有無を簡単にチェックできます。取り外し可能なカメラを使えば、洗濯機の裏側にある接続部分をすばやくチェックできます。洗濯機の接続部をチェックし、本来あるべきでない場所に冷たい場所が見られる場合には、水漏れが考えられます。一方、乾燥機の接続部分では、アルミの通気口の周りに熱が集中しているはずです。通気口と、他のスペースとの間で温度差がはっきりと現れている場合には、暖かい空気は適切に換気されており、家の中で余分な熱を奪っていないことになります。
FLIR ONE Edge Proをどのように使用されていますか?
もしご家庭で、今回ご紹介した例以外のFLIR ONEのご使用例がありましたら、写真を撮って、当社のソーシャルサイトに送ってください。フリアーシステムズでは、サーモグラフィの便利な使い方を紹介し、ユーザーにスポットライトを当てたいと考えています。フリアーシステムズのソーシャルメディアアカウントは以下の通りです: