サーモグラフィを使用したターンキーイメージングソリューションで加熱式フロントガラス製造の品質を改善

ハイエンド自動車生産の世界において、品質や性能の問題は利益と評判に深刻な影響を与える可能性があります。消費者はプレミアム価格を支払う場合、その自動車が価格に見合っていることを期待します。

ドイツのインテグレーターであるaku.automationは最近、世界のある高級自動車ブランドの加熱式自動車フロントガラスの品質検査システム開発を委託されました。

aku.automationは、カスタムメイドのソフトウェアを実行するPCとFLIRサーモグラフィカメラを併用して完璧なソリューションを設計、構築し、一貫した品質を確保してコストのかかるリコールを防止しました。

サーモグラフィを使用してプリント回路を検査

aku.automationの顧客であるPilkington AutomotiveはNSG Groupの一員であり、ガラス製品およびグレージング製品の世界有数のメーカーの1社です。同社は、全世界のすべての大手自動車メーカーに加熱式フロントガラスを供給しています。Pilkington Automotiveはすべての製品に対して手動で品質チェックを行っていましたが、品質パフォーマンスをさらに最適化するための高度な品質試験システムを探していました。

マシンビジョン領域の専門家であるaku.automationに対するPilkington Automotiveの簡潔な指示は、加熱システムを構成するフロントガラス内のプリント回路上のホットスポットを検出することでした。ホットスポットは、加熱システムが故障して、いったん設置すると正常に動作しない可能性があることを示します。

aku.automationは、Pilkington Automotiveの工場に技術チームを派遣して小規模な試験システムを構築しました。これにより、チームは生産ラインの画像をキャプチャしてアプリケーションが機能することを確認できるようになりました。良好な試験結果を達成した後、aku.automationは独自のソリューションを提示しました。

欠陥の効果的な発見と品質改善

このソリューションでは、製造ライン上にFLIR A70カメラを設置し、aku.visionManager®ソフトウェアを実行するPCを接続しました。このシステムにより、メーカーに依存しないライブラリ、コンポーネント、インターフェースの統合が可能になり、時間とコストを最大限節約できる統一された操作概念を得られます。aku.visionManagerは、オペレーターが検査できるよう、データを処理してモニター上にエラーグラフィック付きの赤外線画像を表示します。

画像がキャプチャされる間、回路には少量の電圧が流れます。加熱システムがあるべき状態で動作している場合、回路は均等に点灯します。しかし、回路が故障していると、その赤外線画像上にホットスポットが表示されます。

欠陥のあるフロントガラスは簡単に識別でき、ラインから取り除くことができます。さらに、エラーパターンを分析して将来的に生産プロセスをさらに最適化することができます。

aku.automationが選択したFLIR A70サーモグラフィカメラは、MSX®画像エンハンスメント、Wi-Fi経由の放射測定データ伝送、小型コンポーネントでも正確な温度測定を実現できるクローズアップレンズが特長です。検査エリアはバックミラーの取り付け箇所のフロントガラス上端にあるため、aku.automationは比較的小さなエリアの測定に最適なA70用のクローズアップ29°レンズを選択しました。

また、FLIR A50/A70カメラシリーズの固定マウントカメラでは最高の熱解像度である640×480ピクセルの検出器により、オペレーターは潜在的な欠陥を明確に把握できました。

パートナーシップによるソリューションの提供

Pilkington Automotiveは、品質管理の問題に最適なソリューションを見つけるためにまずFLIRにアプローチしました。次にFLIRは、信頼できるドイツのオートメーションパートナーであるaku.automationを紹介してサポートを依頼しました。

AKUのセールスマネージャーであるMartin Stengelは次のように述べています。「FLIRはカメラそのものに関する専門知識を持ち、私たちは画像処理アルゴリズムを備えた自動検査システムの実装方法を理解しています。大規模な調査の後、私たちは完全なソリューションを提供し、Pilkington Automotiveがそれを発注しました。昨年の初めに、システムの実装と試験を開始しました。現在、このシステムは本番稼働しており、顧客は満足し、すべてが期待どおりに機能しています。」

「当社はFLIRとパートナー契約を締結しています。つまり、FLIRは、当社を始めとする企業に産業用オートメーション環境におけるソリューションの提供を依頼します。こうした依頼を3~4年受けてきました。現在、サーモグラフィカメラは当社の主要事業ではありませんが、この分野ではますます興味深いアプリケーションが見受けられるようになっています。今後もFLIRと緊密に連携しながら、こうした類似プロジェクトを実施することを楽しみにしています。」

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