FLIR Si124産業用音響カメラ【コマツ】活用事例

カーボンニュートラル時代のエアリーク対策2.0

コマツと聞いて思い浮かぶのは、鮮やかな黄色に塗装された建設機械の姿。
多品種少量生産、過酷な環境下での使用という制約がある中、2008年には世界初のハイブリッド油圧ショベルを市場導入するなど、建設・鉱山機械において新しい動力源の開発を推進してきました。
一方生産現場では、製造過程の二酸化炭素（Co2）排出を減らす対策が2010年頃よりスタート。目標達成によるプロジェクト解散を経た後、現在はさらなるCo2排出削減に向けて取り組みを進めています。その一環として実施しているエアリーク対策について、コマツ郡山工場生産部生産技術課・尾形氏にお話を伺いました。

尾形氏（郡山工場生産部生産技術課）

FLIR Si124 産業用音響カメラの導入で、総検査時間が1/2以下、作業人員は1/3に

コマツでは早い時期から、Co2排出削減に対する取り組みを推進。「エアリーク箇所の発見・修繕」も、省エネ活動の一環として以前から実施してきたそうです。「郡山工場を例にとると工場で使用する電力の約6％を太陽光発電で賄っており、全社的に見ても再生可能エネルギー発電の比率が増加傾向にあります。この再生可能エネルギーへの転換に並行する形で、省エネ活動も実施。以前から行ってきたのが、「エアリーク箇所の発見・修繕」です」この省エネ活動が、産業用音響カメラ「FLIRSi124」導入により効率化できた、と尾形氏は語ります。
「これまでは生産ラインが停止する静かな時間帯を狙い、聴覚に頼ってエアリークを探していました。生産ラインが停止している時間内に全ての設備点検を終わらせる必要があり、2、3名程度で点検に当たったのですが、どうしても休日出勤となってしまうため年間4日程度を限度としていました。
Si124導入で効果を感じているのは、総検査時間が1/2以下、作業人員は1/3になったこと。加えて時間帯に縛られず点検をいつでも行えるようになったため、業務負荷に応じて点検を進めることができるようになりました」

今まで発見できなかったリークを見つけ実力を確信

すでに聴覚によるリーク対策を行っていた中で、尾形氏がSi124への置き換えに興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。
「リークへの新たな取り組みを検討していた時、製品の紹介を受けたのがきっかけです。騒音下でも検査が行えることや、誰が実施しても同等の結果を得られること、またリークをコストに換算する機能等についても伺い、本当にできたら面白いなと感じました」産業用音響カメラの機能について興味を惹かれた尾形氏。Si124の実力は、導入前のデモンストレーションですぐに実感することとなります。
「製品説明の際にコスト換算機能で30～50万円程度のリークはすぐに見つかりますよと言われていたものの、これまでにもリーク対策を行ってきた経験から、本当にそれだけの効果が得られるのだろうかと半信半疑でした。しかしデモンストレーションで工場を回ったところ、今まで発見することのできなかった多くのリークを見つけることができ、その実力を確信しました」

導入に満足。電力単価高騰で投資対効果UP

Si124に惹かれつつも、産業用音響カメラを導入するにあたっては、他社製品との比較検討も行ったそうです。
「新しいものを導入するには、コストの問題は常に付いて回ります。産業用音響カメラ導入の際も、市場にあるいくつかの製品と比較検討しました。騒音下でもきちんとエアリークが検出できること、片手で検査が可能なこと、コストをリアルタイムで表示できること等を評価して最終的にSi124の導入を決定しました。実際に導入前後のコストを換算したところ、昨年だけで約200万円の削減効果を得ることができています。電力単価が大幅に高騰している昨今、Si124への投資対効果がより高まっていると感じ非常に満足しています」
Si124によりバージョンアップを実現させた、コマツのエアリーク対策。尾形氏は、さらなる展開にも期待を寄せています。
「Si124があれば誰でもエアリーク対策に取り組むことができ、定量化できる点が良いと思います。エアリークの他にも、溶接ガス漏れの有無等の安全対策にも使用でき、これまでに購入した製品の中でも、かなり活用できていると実感しています」
フリアーシステムズジャパンではサーモグラフィカメラ、音響カメラの販売に加えて、現場の教育支援として保全現場の導入サポートや教育を実施。業界全体で、さらなる安全性・利便性の向上をめざしています。

使用製品：産業用音響カメラ FLIR Si124

☑124個のマイクで少量の漏れも検出
☑遠距離での測定も可能
☑AIがターゲットノイズだけを判別して目的物を的確に測定
☑独自のコスト計算機能で光熱費削減をリアルタイムに見える化

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