状態監視により電力システムの信頼性が向上

電力会社は、インフラの経時変化に直面していて、電圧低下(電力供給の一時停止につながる)、システム障害(停電を引き起こす)のリスクが増大しています。これらのシステムの予定外の保守は高価であり、多くの企業は、差し迫った故障を発生する前に検出する方法を模索しています。継続的な状態監視を通して、電力会社は問題を早期に見分け、保守を適切にスケジュールし、コストを削減しながらシステムの信頼性を改善することができます。

固定式サーモグラフィカメラを使用して変電所や配電網全体の重要な機器をモニターすることによって、修理が比較的容易に済む早期の段階で、保守作業員は問題に対処できます。例えば、変圧器の液漏れや内部絶縁材の損傷により過熱が生じると、続いて起こる故障の原因となることがあります。しかし、こうした問題を発見するための自動異常温度検出システムを備えた施設は多くありません。’結果として、商業ビジネス、製造、公共事業、交通制御システムに影響を及ぼす多大な停電をもたらす可能性があります。当然ながら、電力会社は多大な経済的損失を被るとともに、システムの復旧と再稼働に多額のコストを払わなければなりません。

高電圧機器は故障する前に過熱する傾向があります。固定サーモグラフィカメラを用いた継続的な状態モニタリングは、電力会社が、故障が発生する前に差し迫った故障を発見するために役立てることができます。

故障の前兆として加熱する変電所の機器としては、次のものが挙げられます。

• 電力変圧器（油面およびポンプの稼働）
• 負荷タップ切替装置（油面、その他内部の問題）
• 避雷器（酸化金属ディスクの劣化）
• ブレーカー（油または六フッ化硫黄の漏出）
• 機械的な接続断絶（接続不良、汚染）
• 制御装置（ファン、ポンプ、およびその他の部品の摩耗）

サーモグラフィカメラを用いた、これらの部品の温度上昇を検出することによって、故障により予定外の停電が起こる前に、予防保守作業を行なうことが可能です。

ほとんどの電気会社は、変電所の機器を定期的に調査するために、すでに手持ち式のサーモグラフィカメラを使用していますが、現在では、多くの電気事業者は週7日24時間の監視を提供するために固定式サーモグラフィカメラシステムを設置しています。FLIR A70 スマートセンサーカメラなどの、アラームと分析用のエッジコンピューティングを用いて設計されたスマートカメラは、簡素化されたソリューションを提供します。

これらのシステムは、最新の検知および測定技術、制御方式、デジタル通信を備えています。また、差し迫った問題の発生を予知、検出し、迅速に保守スタッフに通知できるため、システム障害、停電、生産性低下の可能性を低減します。

一例として、あるヨーロッパの大手電力会社は、変電所の変圧器内で高温のブッシングロッドを発見し、その修理には、＄1400しかかかりませんでした。同じ電力会社で、サーモグラフィプログラムを導入する前に同様の問題が発生したときには、＄270万を超えるコストを伴う大事故に発展したことがありました。

FLIR A50/A70スマートセンサー固定式マウントカメラの詳細については、ここをクリックするか、担当者にお問い合わせください。