お客様ご自身による検査が可能

自動車の品質管理に使用されるフリアーシステムズのサーモグラフィカメラ

「フリアーシステムズは、1997年以来、ディンゴルフィングにあるBMWの工場での赤外線検査用にサーモグラフィカメラを提供してきました」と、フリアーシステムズのセールスパートナー兼インテグレーターであるTOPA GMbHのRobert Halbritter氏は説明します。 BMWはほぼ一貫して、スイッチキャビネットやスイッチルームのエレクトロサーモグラフィ検査にサーモグラフィカメラを使用してきました。 熱を持った部品は問題があるため、交換されます。 この工程は現在も続いていますが、 BMWでは、フリアーシステムズのサーモグラフィカメラを品質管理にも使用するようになりました。

新車では、ローラーダイナモメーター10台のうち1台を分析するなど、個別および自動化された品質管理測定の数々を実施する必要があります。 BMWのナイトビジョンシステムと同様に、フリアーシステムズの検出器に基づいてクラクションからエンジン特有の性能に至るまでの基本機能が徹底的に試験されます。 プロセス全体の所要時間は数分間で、その間に正しい機能が自動的に確認されるか、車内に入った検査担当者が表示される検査データをモニタリングします。

シンプルで迅速な、信頼性の高い試験

費用と時間効率の良い試験を行うことが共通の目標ですが、それぞれの検査作業に最適な手順を特定するためには、個々に検討する必要があります。 例えば、デュアルエキゾーストシステムのエキゾーストフラップを試験する場合がこれに当たります。 ツインテールパイプは、大型の8気筒エンジンを搭載した高性能なBMW車の特徴です。 BMW M5モデルでは、2番目のテールパイプのエキゾーストフラップが特定の回転数でのみ作動するため、要件が異なります。

その理由は音響設計のためであり、パワフルなエンジン音を印象的なものにするためだと聞くと、最初は驚くかもしれません。 そのために、BMW M5では2番目のテールパイプのエキゾーストフラップが本当に必要な場合だけ開くようになっています。 もちろん、この機能も検査する必要がありますが、これは見た目よりも複雑です。

この動作を効率的に検査するために、当初はフリアーシステムズ以外のメーカーのサーモグラフィカメラがそれぞれのダイナモメーターリグに対して指定されていました。 その目的は、デュアルパイプエキゾーストシステムの各テールパイプの熱プロファイルを可視化することでした。

フリアーシステムズのカメラで排気流を確認

各システムは2台のサーモグラフィカメラで構成され、左右のテールパイプを上面と側面から検査していました。 このソリューションは購入時に高価なだけでなく、カメラの修理が頻繁に必要なため、時間の経過とともに費用が増加します。 そのため8年後に、新システムを導入する可能性が検証されました。

フリアーシステムズのセールスパートナー兼インテグレーターであるTOPA GMbHのRobert Halbritter氏は、新しいカメラハードウェアの費用を半減させる非常に魅力的なソリューションを提案しました。 同氏は、それぞれのダイナモメーター用に、45°のレンズを備えた固定式のFLIR A310を1台使用することを推奨しました。 そのメリットは、以前は2台のカメラを側面に設置して検査していたものが、今では中央に配置した1台のフリアーシステムズ製カメラで可視化できるようになったことです。

これは、45°の広角レンズを搭載したFLIR A310の視野角によって約2メートルの距離から車両の両端までを表示できるため、可能になりました。 その結果、以前のシステムでは20台のカメラが必要だったのに対し、それぞれのダイナモメーターに対して1台になったことで、総合的な検査がわずか10台のカメラで実施できるようになりました。

シンプルなソリューション – 大きな可能性

FLIR A310は、サーモグラフィのアナログビデオ信号を30Hzのフレームレートで生成します。 このモデルは、取り付けが簡単でPALビデオへのアクセスが容易なため、排気流の記録に特に適しています。 

Christoph Hörnlen氏は次のように説明しています。「このカメラには複数の接続オプションもあるのです。」 同氏は、フリアーシステムズでオートメーション用の固定型サーモグラフィカメラを担当しています。 「FLIR A310では、アラーム用と外部機器の制御用にデジタル出力が可能です。 さらに、TCP/IPまたはイーサネット経由でデータを送信できるほか、FLIR A315はGigE Vision™規格およびGeniCam™プロトコルにも対応しています。」

慎重なモニタリング

エキゾーストシステムの性能は、赤外線画像を表示する車両前面のモニターで確認されます。 これにより検査担当者は、熱プロファイルの変化からフラップが正しく機能しているかを確認できます。 FLIR A310では複数のカラーパレットを使用して熱分配を可視化することができますが、最も単純で明快なオプションは黒と白を使用することです。

その理由は、排気流の流れが不規則なためです。 比較的大量の空気が移動し、排気流は一定ではありません。 また、その流量も考慮する必要があります。 これらの要素はすべて幅広い色のスペクトルを使用して可視化できますが、検査担当者が混乱する原因にもなります。 この試験で最終的な分析の際に必要なのは、フラップが正しく開閉していることを確認することなのです。

世界的なマーケットリーダー

BMWがTOPAに提案されたとおりフリアーシステムズのカメラソリューションに切り替えたのは、高品質のサービスと販売後のサポートに関する企業の良い評価をもとに決定したからです。 また、このソリューションの技術的実装も重要な役割を果たしています。 

「当社は現場に出向くことが多いため、カメラの設置や較正に関してBMWをサポートすることができました。 この投資には、以前のシステムに比べて金額に見合う優れた価値があることが示されました」とTOPAのRobert Halbritter氏は説明します。

FLIR A310の信頼性が何よりの証拠です。 最初のカメラシステムが2011年の秋に設置され、それ以降24時間体制で稼働しています。 システムは、23時から翌日の5時までの間は常に必要というわけではありませんが、常時作動しており、実際に年中無休で稼働しています。 さらに、緊急の交換が必要な場合に備えて予備のFLIR 310カメラが供給されていますが、使用されたことは一度もありません。

BMWの5シリーズ、6シリーズ、7シリーズは、ニーダーバイエルン行政管区にあるディンゴルフィング工場で製造されています。 さらに、最近になってBMWの3シリーズグランツーリスモもこの製造ラインに加わりました。 この現場では、およそ18,500人が働いています。

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