熱画像直視装置 活動レポート 兵庫県 尼崎市 消防局
2023年6月26日、兵庫県 尼崎市消防局にFLIR Kシリーズを10台納入しました。納入のタイミングで実際に現場で使用する隊員に直接講習をしてほしいと依頼がありましたので、6月26日と27日の2日間、合計100名以上の方に向けて講習を実施しました。
講習会の様子について尼崎市消防局・消防防災課(本部指揮隊)平根真人さんにお話しをお伺いしました。
尼崎市消防局について
当市は、兵庫県の南東部にあって大阪市に接し、東西8km、南北11km、市域はほぼ平坦で全域が市街化されております。消防局重点目標として、「市民に信頼され、市民の負託に応える消防」「時代の変化に柔軟に対応する消防」を掲げ、以下の体制で消防行政を行っております。
● 人員 : 460人(条例定数)
● 施設 : 消防局1局、消防署4署、消防分署3分署、消防出張所3出張所、消防車両62台
● 水利 : 消火栓5,087基、防火水槽1,006基(2023年4月1日現在)
熱画像直視装置の保有数と機種
高度救助隊及び特別救助隊の救助工作車に装備された2台と令和元年から本部指揮隊に1台追加し現場運用していましたが、今回、消防隊のうち最先着隊を担う所轄中隊長が乗車している各署所のタンク車計10台にFLIR K2を追加配備することになりました。
FLIR K2×10台を購入した背景
人命検索等以外に以前から救助隊保有の熱画像直視装置を用いて火源の特定及び注水支援を実施していましたが、消火支援に特化した1台を本部指揮隊に先行導入し効果があったため、令和3年度に複数社からデモ機を借用し、市保有の解体建物にて実火災を見立てた消防隊の訓練を実施。検証結果として、火災現場で活動する消防隊が保有するべき資機材と判断したため、令和4年度に予算要求し、今回の配備に至りました。
FLIR K2の選定理由
令和元年に先行導入した1台(他社)が現場使用において液晶が割れ修理不能になったこともあり、まず落下や耐衝撃性に強くかつ防水性が優れている機種を検討し、そのうえで防火着装時の携帯性や今後の定年延長も考慮し出来るだけシンプルな操作、また価格と無料の延長保証も選定の理由の一つです。
出張講習について
実際の映像を交えながら、赤外線の基礎や煙を透過する理由等わかりやすく理解できました。
熱画像直視装置を活用するにあたって
大規模倉庫や高気密・高断熱化している住宅事情により消防隊員にとって、火源を特定する事が容易でない現場がある中、大変有効な資機材ではありますが、資機材頼りにならず、特性や強みを理解し、初動救助、状況の評価、燃焼箇所の特定、危険性の検知、危機的状況時の緊急脱出路確保等、人的物的被害の軽減を図るため、教育・訓練を実施しながらより効果的に活用をしたいと思います。
他の消防本部さんへアドバイス
指揮隊に先行導入し、炎上火災時等に熱画像直視装置を使用し、筒先誘導を実施していたのですが、消防隊にとって最も必要なタイミングは、最先着する消防隊が初期の状況判断をする時や各方面に筒先部署する隊が放水(有効)を実施する時であると考え、被害を最小限に抑えるための1つのツールとして、熱画像直視装置の必要性を感じ今回K2を10台導入しました。
導入するにあたり事前にオンライン講習会を受けていたのですが、この内容を実際に現場で使用する小隊長等に直接伝えて欲しいと思い2日間の講習を依頼しました。
インタビューに応えて頂いた方
尼崎市消防局・消防防災課(本部指揮隊)・平根真人さん
その他にも活動レポートを載せております。
【関連動画】