カーレースに科学をもたらすフリアーシステムズの高解像度カメラ

エンジンの予熱システムは、今日のカーレースでますますその価値が高まり、さらには競争優位性さえもたらします。 レーシングに関わる多くのプロたちも、エンジンの摩耗、レースコースにおける期待外れのパフォーマンス、そして投資資金の喪失防止に役立つとしてこの技術の価値を認めています。 米国の予熱エンジンメーカーであるHot Products Engineeringは、エンジン予熱の福音を広めるため精力的に活動しています。 同社は現在、エンジン予熱関連製品の価値を示そうとフリアーシステムズのカメラで撮影した赤外線画像も使ってのPRに余念がありません。

エンジンの暖機は、走行路に乗り入れる前にすべてのモーターレーサーが行う重要な儀式の1つです。 最近までこの儀式は、カートレース、ドラッグレースなど多くのレースカテゴリにおいて単に冷えたエンジンを始動させ空ぶかしすることを意味していました。 しかし、騒音、リスク、悪臭の問題がなくても、代替手段がある中で、金属と金属との摩擦、不完全燃焼、レース燃料の浪費につながるため、冷えたレーシングエンジンの始動は、どのような場合でも賢い選択とは言えません。

エンジンの暖機は、走行路に乗り入れる前にすべてのモーターレーサーが行う重要な儀式の1つです。

エンジンの予熱

そのシステムは、小型で静かな発電機からの安価な無鉛ガスを使用し静かに正確な温度を立ち上げそれを維持する機能があります。 そのシステムは、小型で静かな発電機からの安価な無鉛ガスを使用し静かに正確な温度を立ち上げそれを維持する機能があります。 カリフォルニア州リバモアの国立研究所で精密工学の研究に30年間従事した後、Pete Davis氏は10年前にHot Products Engineering Inc.を設立し、モーターレースに使用する予熱製品の設計と供給を開始しました。 今日、彼のHot Headエンジンヒーターは世界中のレースチームによって使用されるまでになりました。 そしてDavis氏は今、エンジニアリングの知識と彼自身のレース経験を結びつけ、いわゆる「ブルーカラー」のレーサーにインディカー、ル・マン、CCAなど他の現代レースチームと同じ利点をもたらす新しい製品ラインアップの開発にこぎつけました。 今日、 彼が率いるHot Products Engineeringのシステムは、NASCAR、アメリカン・ル・マン、MSA、インディカー、アウトロースプリント&ダートレイトモデル、USAC、IMCA、SCORE、600マイクロスプリント、ボンネビル、AMAモトクロスなどで転戦する名だたるレーシングチームによりその価値が認められています。

予熱することで得られる利点

レーシング用自動車エンジンは、極めて限定された温度で最大出力が得られるようになっています。 エンジン予熱器はエンジンが常にその狭い温度範囲を保つ働きをするので、最初から最大限の電力が利用できるようになります。 その理想的な温度はレースに投入する自動車の種類によって異なります。 エンジンの温度はレースのパフォーマンスに影響するだけではありません。 暖機が不十分なエンジンはまた低温関連のエンジン故障を招き、ドライバーがレースの継続を断念する原因にさえなります。 さらに、コールドスタートは深刻なエンジン摩耗の原因にもなります。 予熱は、エンジンの摩耗を減らし、費用のかかるリビルドを不要にし、同じく費用のかかるピストンの低温焼き付きリスクを実質的に排除することで、レーシングチームに費用の削減効果をもたらします。

線形熱膨張

私たちがエンジンの暖機に必要とするものを追求すると、それは線形熱膨張の概念に行き着きます。 エンジンを構成する部品は材料がさまざまです。 ピストンはアルミニウム合金の1種、シリンダーはまた別のアルミニウム合金、ピストンリングは鋳鉄または鋼、バルブは鋼、ステンレス鋼またはチタンから作られ、バルブガイドはさらに別の材料から作られます。 エンジンの始動に伴い、これらのコンポーネントは前後にスライドし燃焼と摩擦から発熱し始めます。 これらの材料に全く同じものはないため、加熱による膨張、冷却による収縮の速さがそれぞれ異なります。 材料と温度変化は関係は予測可能で、線形性があります。 冷えたエンジンを初めて始動すると、ピストンが熱せられ最初に膨張します。 熱がピストンからピストンリングに、次いでシリンダー壁に伝わります。  エンジンの回転数を急に上げ燃焼サイクルの回数を増やすことで摩擦の頻度を急上昇させると、ピストンはシリンダーと比べかなりの急速度で膨張します。 ピストンとシリンダー間にこの膨張を吸収する十分なスペースがない場合、エンジンは低温焼き付きと呼ばれる状態に陥ります。 運転を始める前にエンジンの暖機を行うようにすると、エンジンのすべてのコンポーネントがゆっくりと膨張して安定します。 エンジンが暖かくなると、エンジン部品の寸法変化は沈静化しエンジン損傷のリスクははるかに小さくなります。

600ccのレース用エンジンを加熱する予熱器の赤外線画像

FLIR SC6700による赤外線画像は、温度がどのようにして静かに立ち上がり、正確に57℃~99℃に維持されるかをはっきりと示している。

科学に基づいた技術をドラッグレースに応用

ドラッグレースのコースに沿って設けた試験セットアップで、Hot Head DragPro competition Engine Heaterの結果をとらえるために FLIR SC6700 が使われました。 FLIR SC6700によって生成された熱画像は、温度が静かにどのようにして構築され、正確に57℃~99℃に維持されるかを明確に示しています。 このセットアップには頼るべき手本がありません。 彼の背景知識と国立研究所での経験のおかげで、Hot Products Engineeringの創始者であるPete Davis氏は、サーマルイメージングのパワーについて知識がありました。「研究と開発を目的とした環境で熱パターンを研究するため、赤外線サーマルカメラを以前使ったことがあります。 私はこのカメラが目に見えないものを見えるようにしてくれることを知っていました。」

このため、Pete Davisがエンジン予熱システム—温度に関する顧客の問題を間違いなく解決する製品—の製造会社を設立したとき、サーマルイメージングを使えば予熱システムの価値をレースの専門家たちに訴えることができると理解していました。 「当社はエンジン予熱システムの新市場開拓に継続して力を注いでおり、そのため私たちの製品の価値について私たちは常に顧客を教育する必要があると思っています。 その中でサーマルイメージングが果たす役割は大きく、私たちはFLIR SC6700で撮影した画像に大きく依存しています」と、Pete Davis氏は続けてます。 「この赤外線サーマルカメラを使うまでは、当社製品の効率に関する視覚的な情報は全くありませんでした。」

「フリアーシステムズのカメラで撮影した画像は、科学に基礎をおいた会社、という企業イメージを作るのにも役立っています。 Hot Products Engineering(HPE)はカリフォルニア州プレザントンが本拠地で、主要大学、国立研究所、シリコンバレーから丘を1つ越えた所にあります。 こういった環境は、製品を効率的に開発する上で重要な役割を果たしています。」

FLIR SC6700と共に歩む

 FLIR SC6000シリーズ カメラは、使いやすく、そしてあらゆる科学・研究アプリケーションに対して柔軟に構成できる、高速・高解像度の画像一式を提供します。 「FLIR SC6700の赤外線画像は、エンジンの発熱状態を詳細に表示してくれます」と、Pete Davis氏は述べています。 「フリアーシステムズのカメラは際だった先進性を備えていますが、使用法は実に簡単でユーザーに対して情報をとても速く伝えてくれます。 また、FLIR SC6700には、画像のキャプチャ後に赤外線画像の視覚化、詳細調査、加工などをする際に便利なオプションが豊富に揃っています。」